Debian のインストールは、ローカル (CD、ハードディスク、フロッピー) およびリモート (FTP、NFS、PPP、HTTP) のさまざまなソースから可能です。 また Debian はさまざまなハードウェア設定をサポートしていますので、 場合によってはインストールの際 さらにいくつかの別のソースも合わせて利用できます。 この章ではインストール方法に関する選択肢と推奨案を提示します。
インストールの異なる作業段階ごとに 異なるインストールソースを選択できます。 例えば、フロッピーからブートを行なってインストールを始めたとしても、 以後のインストール作業段階では必要なファイルをハードディスクから インストールしてもかまいません。
インストールを進めることによって、 RAM 上ですべてが動く、痩せこけた機能の少ないシステムから、 ハードディスクにインストールされ完全な機能を持つ Debian GNU/Linux システムへと移行していきます。 インストール作業の最初の段階における重要な目標の一つは、 システムがサポートするハードウェア (例えば、インターフェイスカード) やソフトウェア (例えば、ネットワークプロトコルやファイルシステムドライバ) の中から、より多くのものを利用できるようにすることにあります。 そのため、以後のインストール作業に置いては、 それ以前よりも多くのインストールソースが利用できるようになります。
たいていの方々にとって、最も簡単なインストール方法は、 Debian CD セットを利用することでしょう。 そのような Debian CD セットをお持ちで、 お使いのマシンが CD からの直接ブートサポートしていれば最高です! 単純に、 ブートデバイスの選択, Section 3.3.2 の説明どおりに、 CD からのブートができるようお使いのシステムを設定し、 CD を挿入し、リブートし、次の章に進んでください。 もしお使いのハードウェアでは通常のインストール方法がうまく行かない場合、 もう一度この章に戻って、代わりに利用できる他のカーネルや、 他のインストールメソッドについて調べてください。 特に、CD セットによっては各 CD ごとに異なるカーネルを利用できるようになっているものもありますので、 他の CD からブートを行なうとうまくいく場合もあるでしょう。
こちらの概観では、インストールソースを選択しなければならないところや、 後のソースの選択に影響を与えるような決定を行なうところを、 強調してあります。
いくつかの選択を行なう際に、 それらの間に二三の依存関係があることは心に留めておいてください。 初期システムブートを行なうカーネルは選択できますが、 完全に設定が済んだあともそれと同じカーネルを利用します。 ドライバは各カーネルに固有のものとなりますので、 ご自分が選んだカーネルに適合するドライバを収録したパッケージを 選択しなければなりません。 適切なカーネルの選択に関する詳細については後述します。
サポートされるネットワークは各カーネルによって異なってきますので、 選択したカーネルによって、特に初期のインストール作業における インストールソースの選択肢は影響を受けます。
最後に、特別なドライバを選択しロードすることによって、 追加的なハードウェア (例えばネットワークインターフェイスカードや ハードドライブコントローラ) や、 ファイルシステム (例えば NTFS や NFS) プロトコル (例えば PPP) が利用できるようになりますが、 これによって、まだインストールしていない残りの部分をインストールする際に、 他の追加的なインストールソースも利用できるようになります。 とはいえ、このことは、それがすぐに実現できるというよりは、 それが実現できる見込みができるといったほうが正確でしょう。 例えば、PPP ドライバの場合、それロードしただけでは 基本システムを電話回線越しに入手できません。 そのためには、まず最初にダイアルアップの設定を行ない、 (ご自身でその設定を反映させない限り) リブートをしなければならないのです。 一方、NTFS ドライバの場合は、それをロードすれば直ちに NTFS ファイルシステムにアクセスできるようになります。 (実際にはファイルシステムを手動でマウントしなければならないので、 初心者にとってはこれだけの情報では十分には役立たないかもしれません。 もちろん、この文書でそのような手続きについて記述することはできるのですが…)
カーネルイメージはさまざまな「フレーバー」のものが利用できます。 各フレーバーは異なるハードウェアセットをサポートします。 Intel x86 で利用できるフレーバーには以下のものがあります。
各フレーバーで 1.44MB のディスクが何枚必要になるか説明しておきましたが、 この時点ではまだ他のインストールメソッドを選択することも可能です。
各フレーバーのカーネル設定ファイルは、"kernel-config" と名付けられたファイル中のそれぞれのディレクトリにあります。
この節では、各インストール作業段階に利用できるであろう、 また普通は利用できるハードウェアを紹介します。 ただ、こちらで紹介するハードウェアすべてが あらゆるカーネルで利用できるわけではありません。 例えば、一般的に RAID ディスクには 適切なドライバをインストールするまでアクセスできません。
インストーラの最初のブートは、おそらく最も大変な作業です。 その詳細は次章で説明しますが、 一般的には以下のメディアからブートを行ないます。
Needs expert review.
以下の表は、 インストールの各作業段階で利用できるソースを示したものです。 縦の各列は異なるインストール段階を示し、 左から右にかけて作業を行なう順番で並べてあります。 最も右側にある列は、インストールに用いるチャンネルを示しています。 空欄はそのチャンネルがインストールに利用できないことを、 Y はインストールに利用できることを、 S は場合によってはインストールに利用できることを示しています。
ブート | カーネルイメージ | ドライバ | 基本システム | パッケージ | チャンネル -------+------------------+----------+--------------+------------+------------ S | | | | | tftp S | Y | Y | Y | UGH | フロッピー S | Y | Y | Y | Y | CD-ROM S | Y | Y | Y | Y | ハードディスク | Y | Y | Y | Y | NFS | | S | S | Y | LAN | | | | Y | PPP
例えば、この表から PPP はパッケージをインストールするためだけに 利用できることが分かります。
なお、インストールメソッドによっては、 ソースを選択できるのは カーネルイメージとドライバのものだけです、 また、CD-ROM からブートする場合、 各ソースは自動的に CD にセットされます。 重要なことは、フロッピーからブートしたらすぐに、 より便利なインストールソースに切り替えることができるということです。 ただし、利用できるソースは、初めのブートに用いるカーネルで サポートされているものでなければなりません。
また、前節に戻って、先の表の「ブート」欄にある S が何を意味しているか、 お使いになるアーキテクチャがそのブート方法をサポートしているかどうか を調べてください。
`LAN' および `PPP' の行は、イーサネットや電話回線を利用した インターネットベースのファイル転送 (FTP や HTTP など) に関するものです。 通常こちらは利用できませんが、 特定のカーネルを利用すれば早い段階でこちらも利用できます。 この文書が扱う範囲を越えてしまいますが、 熟練者なら、これらのコネクションを利用してディスクをマウントしたり、 作業を早く済ませるために他の操作を行なうこともできます。
Debian GNU/Linux CD のセットを入手してください。 可能ならそれからブートしてください。
ここから先を読まれる方は、 おそらく CD からブートできなかった方か、 ブートできないであろう方でしょう。 問題が単にお使いの CD ドライブがブートをサポートしていないことにあるならば、 最初のブートに必要なファイルを CD から取り出し、 それを利用してブートフロッピーを作ったり、 他のオペレーティングシステムからブートを行なってください。
それに失敗した場合でも、 いくらかディスクに空き容量の残った 既存のオペレーティングシステムはあるでしょう。 最初に用いるインストーラは、 さまざまなファイルシステムを読み込むことができます。 (主な例外に NTFS があります。 その場合は適切なドライバをロードする必要があります。) お手持ちのディスクを利用できるならば、 文書、初期ブートイメージ、ユーティリティをダウンロードしてください。 さらに、単一のファイルとしてドライバアーカイブと基本システムを それぞれ入手してください。 そして、最初のブートを行ないます。 インストーラに利用するソースを尋ねられたら ダウンロードしたファイルをインストーラに指示します。
これらは推奨案にしかすぎません。 最も都合のよいソースを選択してください。 フロッピーは都合のよいものでも信頼性の高いものでもありませんので、 可能な限りそれを利用することは避けることをお勧めします。 しかしながら、 既存のオペレーティングシステムからのブートと比べると、 フロッピーを使った場合、よりきれいな環境を構築でき、パス指定も簡単なので、 フロッピーからのブートがサポートされているならば、 最初のブートはこちらから行なってもよいでしょう。
この節では、disks-i386
ディレクトリにあるファイルの
一覧を簡単な説明を付して紹介します。
これらすべてをダウンロードする必要はないでしょう。このことはブートおよび
基本システムのメディアに、何をお選びになるかによってまったく異なってきます。
ほとんどのファイルはフロッピーディスクのイメージです。これらは必要な
フロッピーディスクを作成するためにディスクに書き込まれる、
単一のファイルとなっています。 これらのイメージは、明らかに書き込み先の
フロッピーの容量によって異なってきます。 例えば、標準的な 3.5
インチフロッピーに適合する 通常のデータ容量は 1.44MB です。 通常 5.25
インチフロッピードライブに適合する データ容量は 1.2MB ですので、
もしそのようなフロッピードライブをお使いの場合はサイズが 1.2MB
のイメージを利用してください。 1.44MB フロッピードライブ用のイメージは
images-1.44
ディレクトリにあります。 1.2MB
フロッピードライブ用のイメージは images-1.20
ディレクトリにあります。 通常 CD-ROM ブートやそれに類するものでのみ利用される
2.88MB ディスク用のイメージは images-2.88
ディレクトリにあります。
もしこの文書をネットワークに接続されたコンピュータ上のウェブブラウザで
ご覧になっているなら、ブラウザ上でファイル名を選択することで各ファイルを
取り寄せることができるでしょう。 お使いになっているブラウザにもよりますが、
バイナリモードでそのまま直接ファイルにダウンロードするためには、
特別な操作が必要かもしれません。
例えばネットスケープナビゲータでファイルを取り寄せるためには、
シフトキーを押したままそのリンクをクリックする必要があります。
この文書に記載されている URL から各ファイルをダウンロード
することができますが、それらを http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/
や、 Debian
ミラーサイト
の対応するディレクトリから取り寄せることも可能です。
install.ja.txt
install.ja.html
install.ja.pdf
fdisk.txt
cfdisk.txt
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/basecont.txt
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/md5sum.txt
md5sum
プログラムをお持ちであれば、 md5sum -v -c md5sum.txt
を実行することで、
お手持ちのファイルが改竄されていないか確認することができます。
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/safe/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/compact/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/idepci/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/safe/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/udma66/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-2.88/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-2.88/compact/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-2.88/idepci/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-2.88/udma66/rescue.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/root.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/root.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/compact/root.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/idepci/root.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/udma66/root.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/linux
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/compact/linux
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/idepci/linux
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/udma66/linux
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/dosutils/loadlin.exe
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/install.bat
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/compact/install.bat
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/idepci/install.bat
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/udma66/install.bat
これらのファイルは、カーネルモジュールやドライバのうち、 最初のブートには必要のないハードウェアのものを収録しています。 利用したいドライバを入手するには、次の二つの作業を行ないます。 まず初めに利用なさりたいドライバアーカイブを見つけます。 そして、それから特定のドライバを選択します。
なお、お使いになるドライバアーカイブは、 最初に選ぶカーネルと適合したものでなければなりません。
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/driver-1.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/driver-2.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/driver-3.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/driver-4.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/driver-5.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/safe/driver-1.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/safe/driver-2.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/safe/driver-3.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/safe/driver-4.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.20/safe/driver-5.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/driver-1.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/driver-2.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/driver-3.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/driver-4.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/compact/driver-1.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/idepci/driver-1.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/safe/driver-1.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/safe/driver-2.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/safe/driver-3.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/safe/driver-4.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/udma66/driver-1.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/udma66/driver-2.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/udma66/driver-3.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/udma66/driver-4.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/drivers.tgz
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/compact/drivers.tgz
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/idepci/drivers.tgz
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/udma66/drivers.tgz
「Debian 基本システム」は、最低限の Debian をスタンドアローンで 動作させるために必要となるパッケージのコアセットです。 一度基本システムをインストールし設定すれば、 お使いのマシンは「それ自身で動作できる」ようになります。
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/base2_2.tgz
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-1.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-2.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-3.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-4.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-5.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-6.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-7.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-8.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-9.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-10.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/images-1.44/base-11.bin
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/base2_2.tgz
ファイルは、 CD-ROM や、ハードディスク、NFS といった
フロッピー以外のソースからインストールする際に用いるものです。
http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/dosutils/rawrite2.exe
それでは、個々のインストールソースに固有の情報を見ていきましょう。 ここでは、分かりやすいように、 先ほどインストールソースの説明に用いた表の列の順番どおりに説明します。
初めて Debian をインストールする方々が抱える一番の問題は、 フロッピーディスクの信頼性のようです。
Rescue Floppy は Linux がブートする前にハードウェアによって直接読まれる ことから、最悪の問題点を抱えています。 ハードウェアは Linux のフロッピーディスクドライバほど信頼性のある読み込み をしないことが多く、誤ったデータを読み込んだときには、エラーメッセージも 表示せずに止まってしまうこともあります。 Driver Floppies や基本システムフロッピーにも、これと同様に失敗する 可能性はあります。ただし、これらのほとんどはディスク I/O エラーに関する たくさんのメッセージを出して、読み込みが失敗したことを教えてくれます。
ある特定のフロッピーでインストールが失敗するならば、まず最初に フロッピーディスクのイメーをダウンロードし直して、 別のフロッピーに書き込んでみてください。 フロッピーの再フォーマットや書き込みの際にエラーがでなかったとしても、 古いフロッピーを単に再フォーマットするだけでは不十分でしょう。 場合によっては、異なるシステム上でフロッピーへの書き込みを行う方が よいかもしれません。
一つのフロッピーがうまく動作するまでに 3 回もイメージを書き直し、 3 枚目のフロッピーでようやくうまく動作したというユーザの報告もあります。
また、別のユーザは、同じフロッピーを同じフロッピードライブで用いても、 単に数回リブートすればブートに成功したとも報告しています。 これらはすべて、バグのはびこったハードウェアもしくはフロッピードライバの ファームウェアによるものです。
フロッピーからのブートはほとんどのプラットフォームでサポートされています。 Review and integrate the 2 discussions for m68k.
フロッピーからブートするには、単純に Rescue Floppy のイメージと Driver Floppies のイメージをダウンロードしてください。
必要があれば Rescue Floppy を修正することもできます。 Rescue Floppy のカーネルの交換, Section 9.3 をご覧ください。
Rescue Floppy にはルートファイルシステムが収まりきれません。 そのためルートイメージを書き込むディスクも必要になるでしょう。 他のイメージと同様にフロッピーを作成します。 一旦 Rescue Floppy からカーネルをロードすると、 ルートディスクが求められます。 そのフロッピーを挿入し作業を続けてください。 Rescue Floppy によるブート, Section 6.5 をご覧ください。
注意: フロッピーが一般的に最も信頼性の低い種類のメディアであることから、 こちらは Debian をインストールする方法としては推奨できません。 こちらの方法が推奨されるのは、お使いになるシステムのハードディスクのいずれ にも、余分な既存のファイルシステムがない場合だけです。
以下の手順にしたがってください。
base-1.bin
、 base-2.bin
など)
ディスクイメージは、フロッピーディスクの完全な内容をそのままの
形式で含んだファイルです。 rescue.bin
のようなディスクイメージは、フロッピーディスクに
単純にコピーすることはできません。
イメージファイルをフロッピーディスクにそのままの形式で
書き込むために、特別なプログラムを用います。
このようなことが必要になるのは、これらのイメージがディスクの内容をそのまま
記録してあるためです。つまり、ファイルからフロッピーへデータの
セクタコピーが必要になるのです。
お使いのプラットフォームによって、ディスクイメージからフロッピーを作成する 方法は異なってきます。 この節では、異なるプラットフォームでどのようにディスクイメージから フロッピーを作成するかを説明します。
フロッピーをどの方法で作成したとしても、不注意でそれらを壊さないために、 一旦イメージを書き込んだら、忘れずにフロッピーの爪を動かして 書き込み禁止にしてください。
フロッピーディスクイメージをフロッピーディスクに書き込むためには、おそらく システムのルート特権が必要になるでしょう。 適切な空のフロッピーディスクをフロッピードライブに挿入したら、 次に以下のコマンドを使ってください。
dd if=ファイル名 of=/dev/fd0 bs=1024 conv=sync ; sync
ファイル名のところには、
フロッピーディスクイメージの一つを当てはめます。 また、/dev/fd0
はフロッピーディスク装置によく使われている名前 です。(こちらは Solaris 上では
/dev/fd/0
になります。) Unix が
フロッピーディスクへの書き込みを終える前に、このコマンドは
プロンプトを返すかもしれません。そのため、ドライブからフロッピーディスクを
取り出す前に、フロッピードライブのディスク使用中のランプをみて、
それが消えていること、ディスクの回転が止まっていることを確認してください。
システムによっては、ドライブからフロッピーディスクを取り出すために、
なにかコマンドを実行させなければならないかもしれません。 (Solaris 上では
eject
を使ってくさい。
こちらについてはマニュアルページをご覧ください。)
またあるシステムは、フロッピーディスクをドライブに挿入すると、それを自動的
にマウントしようと試みます。
そのようなワークステーションで、イメージをそのままの形式で
フロッピーディスクに書き込むためには、
この機能を無効にしなければならないかもしれません。
残念ながら、その設定をどのようにするかはお使いになっている
オペレーティングシステムによって異なってきます。 Solaris
上では、vold
が実行されていないことを確認してください。
その他のシステムに関しては、ご自身のシステム管理者にお尋ねください。
フロッピーディスクイメージと同じディレクトリに rawrite2.exe
プログラムが収録されています。 そこには、rawrite2
の使用説明書を含む rawrite2.txt
ファイルもあります。
フロッピーディスクにイメージを書き込むためには、 まず最初に DOS
をブートしてください。 Windows 上の DOS プロンプトから rawrite2
を実行すると 問題が発生するとの報告が多く寄せられているからです。 また Windows
のエクスプローラ上で rawrite2
をダブルクリックしても動作しないとの報告も受けています。 もし DOS
のブート方法をご存知ない場合は、 ブートの際に F8
を押してみてください。
一旦プレーンな DOS をブートして、以下のコマンドを使ってください。
rawrite2 -f ファイル名 -d ドライブ名
こちらのファイル名には、 書き込むフロッピーディスクのイメージの一つを、 また ドライブ名 には ``a:'' もしくは ``b:'' を書き込む先のフロッピードライブに応じて当てはめてください。
フロッピーディスクイメージのあるディレクトリに、 http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-i386/current/rawwrite.ttp
プログラムがあります。 そのアイコンをダブルクリックして、プログラムを起動し、
TOS プログラムコマンドラインのダイアログボックスで、
フロッピーに書き込みたいフロッピーイメージのファイル名を入力してください。
MacOS には、mac/images-1.44/rescue.bin
や
mac/images-1.44/driver.bin
のイメージを書き込むアプリケーションがありません。
(これらのフロッピーでインストーラをブートすることも、Macintosh
上からカーネルやモジュールをインストールすることもできないので、
このことは意味のないことです。)
しかし、これらのファイルは作業が進めば、オペレーティングシステムや
モジュールをインストールするのに必要になってきます。
Macintosh 上でファイルを転送するときは常に注意を払ってください。 .bin や .tgz といった拡張子のついたファイルは、 必ずバイナリモードで転送しなければなりません。
CD-ROM からのブートは、最も簡単なインストール方法の一つです。 ただ、運悪く CD-ROM 上のカーネルがうまく動作しなかったら、 他の方法に戻ってください。
CD-ROM からのインストールは CD-ROM からのインストール, Section 6.4 で説明します。
特定の CD ドライブには特別なドライバを必要とするものもあります。 そのため、このような CD ドライブには インストールの最初の段階ではアクセスできないかもしれません。
既存のオペレーティングシステムからブートを行なうことも、 よい選択であることが多いでしょう。 というのもシステムによっては、この方法がサポートされている唯一の インストール方法でもあるからです。 この方法については ハードディスクからのブート, Section 6.3 にて説明します。
変わったハードウェアやファイルシステムを利用している場合、 インストールの最初の段階では ハードディスク上のファイルにアクセスできないかもしれません。 もしそのハードぅエアやファイルシステムが Linux カーネルでサポートされていなければ、 そちらには最後までアクセスできません!
NFS 経由でインストールできるのは、その性質上基本システムだけです。
すでに説明した方法のいずれかを用いて、手元で利用できる Rescue Floppy と Driver
Floppies を用意しておく必要があるでしょう。 NFS
経由で基本システムをインストールするためには、dbootstrap
によるシステムの初期設定,
章 7 での説明の通りに標準的なインストール手順を踏まなければな
りません。忘れずに、お使いのイーサネットカード用のモジュール (ドライバ) と、
NFS 用のファイルシステムのモジュールをロードしてください。
dbootstrap
に、
どこに基本システムが置かれているかを尋ねられた時には (``基本システムのインストール'',
Section 7.13)、NFS を選択しその指示にしたがってください。