本節は、Debian をインストールするのに、 どのメディアを使用するかを決める助けとなるでしょう。 例えば、マシンにフロッピーディスクドライブがあれば、 Debian をインストールするのに使用することができます。 各メディアに対して利点と欠点を挙げた、 章全体をメディアに費やした章 (章 4. システムインストールメディアの入手) があります。 一度そこへ行ったら、このページを参照したくなるかもしれません。
このマニュアルで 「CD-ROM」 と記述してある場合は、 オペレーティングシステムから見て等価なので、 CD-ROM・DVD-ROM と見なしてください。 (SCSI でも IDE/ATAPI でもないような、非常に古く非標準な CD-ROM ドライブを除く)
いくつかのアーキテクチャでは CD-ROM ベースのインストールをサポートしています。 起動可能な CD-ROM をサポートしたマシンでは、 フロッピーを必要としない 完全なインストールが可能です。 CD-ROM からの起動ができないシステムでは、 そのほかのテクニックを組み合わせれば インストールに CD-ROM を使えます。 章 5. インストールシステムの起動 を参照して一度他の方法で起動してください。
DECstations で CD-ROM から起動するには、512 バイトの論理ブロックサイズを 扱える SCSI CD-ROM ドライブが必要です。 PC 向けに売られている SCSI CD-ROM の多くは、この機能を持っていません。 お持ちの CD-ROM ドライブに 「Unix/PC」 とか 「512/2048」 というラベルのついたジャンパがあったら、 「Unix」 または 「512」 の方にしてください。
CD 1 に入っているインストーラは、r3k-kn02 サブアーキテクチャ用です (R3000 ベースの DECstations 5000/1xx と 5000/240 と、 R3000 ベースの Personal DECstation モデル)。 CD 2 に入っているインストーラは r4k-kn04 サブアーキテクチャ用です (R4x00 ベースの DECstations 5000/150 と 5000/260 と、 Personal DECstation 5000/50)。
CD から起動するには、ファームウェアのプロンプトでboot
というコマンドを実行してください。ここで #
/rzid
#
は起動しようとする TurboChannel デバイスの番号
(ほとんどの DECstation では 3) で、
id
は CD-ROM ドライブの SCSI ID です。
他にも渡すべきパラメータがある場合は、次の書式に従えば追加できます。
boot
#
/rzid
param1=value1 param2=value2 ...
ハードディスクからインストールシステムを直接ブートするのは、 多くのアーキテクチャで使える方法です。 これは他の OS に、 ハードディスク上にあるインストーラをロードするよう要求します。
またネットワーク越しにシステムを起動することもできます。
ネットワーク越しに起動を行い、 すべてのローカルファイルシステムを NFS でマウントして、 ディスクレスインストールをすることも一つの選択です。
オペレーティングシステムのカーネルをインストールした後は (基本システムインストール後の PPP を含め) 残りのシステムは FTP、HTTP 経由でネットワークインストールできます。
他の Unix ライクシステムが稼働していれば、このマニュアルの残りで説明している
debian-installer
を使用しないで、 Debian GNU/Linux をインストールできます。
このインストール方法なら、他の方法ではサポートしないハードウェアや、
ダウンタイムを用意できないユーザにとって便利です。
この方法に興味があれば、項C.4. 「Unix/Linux System システムからの Debian GNU/Linux のインストール」 へ
スキップしてください。
Debian の起動ディスクには、さまざまなシステムに最大限対応したカーネルが 収められています。そのため残念ながら、まったく使われることのないたくさんの ドライバがカーネルを肥大化させています (再構築の仕方は 項8.4. 「新しいカーネルのコンパイル」 をご覧ください)。 しかし、さまざまなハードウェアへ確実に Debian をインストールするには できるだけ幅広いデバイスをサポートするのが望ましいでしょう。